何気なく受けたお客様の電話。何やらかなり焦っている様子です。
電話越しにも伝わってきました。何故でしょうか。久しぶりに部品の発注を受けた様です。
4年前の注文を最後に音沙汰がなかった部品の様です。
しかし、新製品に使われる事になり流動が復活したそうです。喜ばしい事です。
早速当時加工をお願いしていた協力工場に朗報を伝えようと電話したそうですが、「もう工場辞めた…」と。
プレス業界、後継者不足は良く知られた問題でした。
リーマンショック、海外生産への移行等を見て育った若者達が、この業界にマイナスイメージを持っていたのでしょう。
継ぎたくない気持ちもわかります。
色々な思いが駆け巡りますが…まずはこの事案の解決が先だ、と弊社に連絡をくれたそうです。まずは状況確認です。
幸い金型は残っているらしいので、弊社の営業マン、金型職人、お客様の3名でその協力工場様にお邪魔しました。
金型現物を確認すると、サイズ的には弊社で使用出来そうです。
一部老朽化しておりますしたがメンテナンスをすれば使えそうです。
また、かつて使用していた材料サイズ・プレス回転数等も教えて頂く事が出来ました。
後日、弊社でその金型をメンテナンスし、数個の製品サンプルを製作しました。幸い図面通りのものが出来上がり、そのまま量産を行う事が出来ました。
金型を移管しての量産を成功させるには、今までの流動時の情報収集と、初回製品サンプルの検証が非常に重要となります。
ここで培った経験は、同じ様な状況に陥った方のお役に立てるでしょう。
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